石光真清さんは、明治元年の熊本生まれ。少年時代を神風連や西南の役の中で過ごし、陸軍中尉で日清戦争に参加し台湾で実戦を経験しました。その後、ロシア研究のためロシア留学、特務を帯びて満州を駆け巡りました。ロシア革命後、再びシベリアへ渡り諜報活動を行いました。少年時代は柴五郎陸軍大将(『ある明治人の記録』中公新書)の家にも下宿したそうです。
三島由紀夫が共感していた神風連から西南の役の頃の日本の様子、日清戦争と日露戦争の間、そして、ロシア革命後の満州・シベリアを舞台にした当時の国際情勢、ロシア人中国人朝鮮人、そして、日本人の勢力関係が非常によく分かります。それは、歴史小説でなく、石光真清という人が直接体験した真実を綴った手記だからです。
小説『坂の上の雲』やTVドラマ『八重の桜』もいいのでしょうが、日本人なら『石光真清の手記』や会津出身である柴五郎の遺書『ある明治人の記録』を読んでもらいたいですね。
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