2018年5月23日水曜日

フィデューシャリー・デューティーとは「受託者責任」


Fiduciary Dutyとは何か?

これはUSで仕事をしたことがある方なら一度は遭遇した用語だと思います。日本語にはならない英語の一つではないでしょうか(私は法律の専門家ではないので要確認です)。

「Fiduciary Duty」には2つあって「Duty of Care」と「Duty of Loyalty」とに分かれています。

「Duty of Care」というのは「同様のポジションにある賢明な方が選択するであろうという方法で奉仕する義務」ということです。「Duty of Loyalty」というのは、「自分の利益を後回しにしてでも忠実に義務を果たす」ということです。Family Lawでは親は未成年の子にFiduciary Dutyを負っています。自分の身の危険をかえりみずに子の安全を守るというのは、法の目から見れば当然のことなのです。アメフトのヘッドコーチ(監督)と選手の関係もそうだと思いますね。

ビジネスの世界では、会社の役員は、株主全員に対してFiduciary Dutyを負っています。自分の役員としての地位を利用して自分の身内と会社との取引をして会社に損失をもたらすと、その役員個人に株主から損害賠償請求ができます。

パートナーシップの弁護士事務所とかコンサルティング会社でもFiduciary Dutyが議論になります。パートナーは本来自分の利益を後回しにしてもクライアントや部下に奉仕すべきなのです。組織内の上下関係は日本の中世でいう主君と武士の関係と同じです。 部下も個人的にFiduciary Dutyを負っていると考えます。御恩奉公の関係ですね。つまり、日本の封建制度です。

元々これは日本人の美徳であったはずです。でも、そんなFiduciary DutyやDuty of Loyaltyは今の日本では影も形もなく蒸発しています。いたるところに偽善や卑怯が蔓延しているようです。

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