知性の構造 西部邁(1996年)
『知性の構造』(1996年 西部邁)に 「日本は個人主義と集団主義の間の葛藤が少ない(緊張が足りない)、だから平衡感覚が未熟である。平行感覚を鍛えていないものは、突発的危機(外圧など)のなかで右往左往する」とあります。
五月病は新入生や新入社員だけの問題ではないでしょう。大人になる過程で緊張や葛藤の中に身を置くことに慣れていない。そもそも日本は、単一民族であるし島国なので葛藤が少ない社会です。さらに国全体がウルトラ過保護になっています。
組織の中では葛藤、つまりコンフリクトを避けて効率よく仕事をこなそうとするか、コンフリクトが有りすぎてお互いを避け話もしない。これでは個人としても組織としても強くなれない。だから、ひとたび組織の外や国外との葛藤や強い緊張が起こるとパニックを起こします。要するに、対応するためのバランス感覚が足りないのです。
「葛藤」は学校や会社の中のいたるところに内包されています。だから、普段からそれらを避けるのではなく、しっかりと認識して上手に活用すればバランス感覚は身についていくと思います。
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