2018年5月17日木曜日

葛藤や緊張でバランス感覚を身につける

中古ボールは experienced ball ! @ NYのゴルフ練習場

「日本人のリーダーに不足しているものは、initiative(イニシアチブ)、determination(決断力)、sense of humor(ユーモアのセンス) の3つである」。「この3つの欠落が仕事をつまらなくしているし、日本人以外の人たちとの協業をギクシャクしたものにしている」。

昔々日本企業とのミーティングやセミナーで若い私が発言していたことです。無謀でしたねぇ~。大きなミーティングで緊張を緩和するためにジョークをとばしても、失笑をかうか時には怒られることさえありました。

ただし、企業の中には一人くらい会社を斜め上からみている部長や本部長がいて、生意気な私の意見を支持してくれる人がいたものです。20年以上前のことです。ここ数年そういった気概のある人はどこを探しても見当たらない、、、。

江戸時代の日本人は落語の世界に出てくるようにユーモアの精神がありました。そして緊張や葛藤があった。藩が国であり国境には関所が存在した。士農工商という緩やかだけど階級の別もあった。江戸時代は多様性の文化だったのです。内的にも外的にも不安定だった。だから、個人と集団の間には一定の葛藤や緊張があったのだろうと思います。

ところが、今の日本は均一的で金太郎飴です。そして、金太郎飴の図柄から少しでも外れると容赦なく攻撃されるし排除されてしまう。葛藤に慣れていないから、葛藤に出くわしても打開するためのルール作りが苦手です。これは政治では外交の稚拙さだし、大企業の M&A の失敗や様々な社内改革の泥沼化に表れています。勿論、冒頭でお話したようにリーダーシップの資質の問題もあります。

過度の葛藤や緊張は良くないのですが、それらを効率よく避けることが賢い生き方や働き方だと考える社会に発展はないのです。バランス感覚は、葛藤や緊張に対応することにより鍛えられる。バランス感覚を身につけることが今後ますますキーポイントとなるでしょう。

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