2016年10月31日月曜日

ごまめ


「ごまめ」には、「遊びの際にルールも分からないような半人前の子どものこと」、という意味があります。 どうも、関西や西日本特有の言い回しのようです。

日本は自由と民主主義を混同しているようです。 liberalism(イデオロギー) と democracy(政治制度)。 今回のアメリカ大統領選に関する報道で、日本のメディアは、ほとんど自由と民主主義の議論をしない。非常に不思議です。

democracyを最高の価値とした戦後民主主義教育が、democracyを「イデオロギー」にしてしまったからでしょうか?

そもそも、アメリカは、自由だ自由だといって個人が自己主張し、それが原動力となって発展した国です。 封建制度から解放され近代国家成立を経験した欧州は、自由や安全を保障するために国家があることを痛感しています。アメリカは違う。 ところが、200年が経ち、人種問題に移民問題が加わり、超格差社会により中間層が没落した。 それで、ようやく自由と民主主義を疑いだし、今回の大統領選挙で自由と民主主義の危険性に気づいたのだろうと思います。

東洋の島国ニッポンはどうでしょうか? いつになったら「ごまめ」のポジションを脱することができるのか?

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2016年10月23日日曜日

R.I.P. 平尾誠二

山口良治は、平尾誠二の母校である伏見工業高校のラグビー部総監督

今は心を鍛える場面が非常に少ない。 社会に出たら理不尽なことばかりですよ。 「こんなはずではなかった」とその度に心が折れていてはダメ。 前に進むには心の強さが必要なんです。 色々な理不尽なことや、葛藤や苦悩があって、人間は鍛えられるのではないか (本文より)。

30数年前、会社の同僚にラガーマンがいて彼の後輩が平尾誠二でした。 私の同僚はFWで大学日本一になりました。 そこに花園(全国高校ラグビー)を制した平尾誠二が入り、大学三連覇を達成したのでした。

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2016年10月18日火曜日

働き方改革

第1回「働き方改革 意見交換会(平成28年10月13日 

今回は先日のブログ「アイデンティティ(自我意識)の確立」の続きです。


政府が力を入れている「働き方改革」って、労働時間とか生産性の問題よりも、主体的精神の欠如を考えるべきだと思います。 自分の現状、つまり、自分の生きている環境に働きかける能動的な精神がフォーカスされるべきではないでしょうか?

会社の命じるがままに(会社の規範)、それに順応する従順な精神ではなく、主体的な試みの中で状況を切り開く、一歩踏み出してみる。 そして、自ら成長する能動的な精神です

自我が確立されて、家族や友人に囲まれ共に働く仲間がいる。 そして、 それらが基礎となり、仕事の世界でのアイデンティティが確立されます。 簡単に言えば、それが青年期を脱し大人になるということです。

自分が大人になって初めて、確立したアイデンティティ(個人的+社会的)を次の世代に伝承できるのです。

さらに中高年になると、アイデンティティを組織内で次の世代に伝えるだけでなく、地域社会やもっと広く、伝統や文化を後世に伝えることを考え始める時期です(たとえ実現できなくても「志」が大事なのです)。  

定年を目前にして、人生を考え始めるのではありません。 

Keep Rocking !

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2016年10月14日金曜日

アメリカ大統領選


The End of the American Era 
~『アメリカ時代の終焉』 ハッカー 1970年 ~

アメリカの没落はベトナム戦争の頃から始まっているという指摘は多く存在します。 ハッカーは、アメリカが自分たちを見る目が謙虚でなくなり自分は特別な個性だと勘違いし始め、学問も凡庸なものになったことが問題だと指摘しています。

「平凡な学者が恐れるのは他人から批判されることである。 だから彼らは、決して間違いを指摘されることのないことしかやらなくなるだろう。凡庸な頭脳の持ち主にとっていちばん都合がよいのは、ルールが明示されており、研究に従事するものが全員、規定の手続きに従うような場合である」と。

1970年のアメリカの問題は今のアメリカでも継続しているし、今の日本も急速にそうなりつつあると感じます。


昭和29 福田恆存のコメント

昭和29年、評論家の福田恆存はアメリカ視察旅行を終え、「アメリカは貧しい」と言いました。 私は2001年8月に14年ぶりに香港、上海、北京を訪問して、「中国は1980年代(特に前半)に比べて貧しくなった」と感じました。それは、物質的な生活がいかに豊かになろうと、精神的な安定は得られないと感じたからです。 「神」や「お天道様」がない中国の物質文明は危険だし、多民族化が行き過ぎ「神」の力が弱まったアメリカは危ない。

精神的なバックボーンが溶けてなくなり「お天道様」が隠れた日本は、福田恆存が憂慮した頃の日本よりも、もっと崖っぷちに立っています。


アダム・スミス

アダム・スミスは著書の中で、守るべきものは国家であり、国家に支えられた生活の安定、心の平静であると提唱し、お金が全てと考える重商主義を批判しています。 心の平静は「確実なもの」であり、土地(場所)に根ざした経済が一番大切である、つまり、国内における農業や製造業は貿易よりも優先すべきことだと言うのです。

アダム・スミスやアメリカ合衆国建国の精神(republic=共和の精神)から考えると、今のアメリカは全く別物になっていると思います。 トランプがヒラリーに勝つためには「republic」に力点を置くのがいいと思いますが、手遅れですね。


アメリカ大統領選

今回のアメリカ大統領選は、ハッカーの『The End of the American Era』に書かれているような現実(それも、半世紀近く経過して増幅された)が背景としてあります。ヒラリーもメディアをバックにやり過ぎると、トランプを支持している元中間層の白人を全て敵に回し、大統領になったとしても、収拾がつかなくなるでしょう。 彼らの多くは大都市のエリートではなく中西部や南部に住む90~99%です。 メディアは、自分らはヒラリーを支えるエリートだという認識からか、トランプを総攻撃していますが、実は、元中間層である90%を攻撃することになっているのです。

11月8日に全てが決まります。 日本の運命も???

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2016年10月12日水曜日

アイデンティティ(自我意識)の確立

『50歳までに「生き生きした老い」を準備する』
ジョージ・E.ヴァイラント 2008年

今の日本を見ていると、どうも明治維新からの日本の近代化に問題があると言わざるを得ません。 明治・大正・昭和、紆余曲折はあったのでしょうが、特に、ここ70年の日本には国家としての「アイデンティティ(identity)」が非常に希薄です。

福沢諭吉は140年ほど前に、「一身独立して一国独立す」(『学問のすすめ』三篇)と説きました。 一身が独立していないということは、個人のアイデンティティ(自分は何者か?)が確立されていないということです。 

これは、これから超高齢化社会を迎える日本にとって、極めて憂慮すべきことだと思います。

『50歳までに「生き生きした老い」を準備する』に、「幸せな老いに必要な成人の6つの発達課題」が紹介されています。 6つの発達課題の最初に来るのがアイデンティティです。 すなわち、保護者からの独立という意味で、大人になるということです

1
Identity 
自我意識の確立、保護者からの独立。
2
Intimacy
親密さ。他者との関係を構築する。
3
Career Consolidation
仕事でのキャリアと人生観の統合
4
Generativity
次世代に自分が得たものを伝える。
5
Keeper of the Meaning
社会に貢献する。「公」を考える。
6
Integrity
これまでの人生を統合する。

以下は本の中で私が共感したポイントです。   
  • 高齢の友人を失っても、遊びと創造することを学ぶ若い友人を獲得すれば、その人生の喜びは大きくなる。
  • 生き生きした老いに必要なのは、能動的であること、主体的であること、ネットワーキングと自己啓発である。
  • 幸福な老いの秘訣は、金銭ではなく、むしろ自己管理と愛情である。
  • 退職後の4つの基本課題とは、①新しいネットワークをつくる、②遊ぶ、③創造する、④学ぶ。
  • いま何を知っているかよりも、新しいことを学ぶ能力が大切。
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2016年10月10日月曜日

幸福な老い


久々にボビー・バレンタインの名前を新聞のコラムで見ました。 かつて、千葉ロッテマリーンズで、「パ・リーグのお荷物」と呼ばれたロッテを監督就任わずか2年目で31年ぶりの日本一に導き「ボビー・マジック」と呼ばれました。

ボビー・バレンタインの経営するバー「Bobby V's Sports Bar」(コネチカット州スタンフォード)が、1995年当時の私のオフィスの向かいにありました。 仕事帰りにビールを飲んでいると、ボビーが老若男女を問わず人懐っこい笑顔で声をかけてくるのでした。

大リーグでも日本の球界でも名声を博したわけですから、タフな精神力と肉体を持つ人に違いはないのでしょう。 しかし、その他にいつまでも前向きな笑顔の秘訣は何かあるのでしょうか? 恐らく、Bobby V’s Bar を拠点として、新しい友人を作ったり、今でも新たなことを学んでいるからなのでしょう。

ボビー・バレンタインは、アメリカ合衆国コネティカット州出身の元プロ野球選手、元監督。 メジャーリーグではテキサス・レンジャーズとニューヨーク・メッツ、ボストン・レッドソックスの監督を、日本プロ野球では千葉ロッテマリーンズの監督を務めた。千葉大学・千葉商科大学・城西国際大学客員教授(ウィキペディア)。

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2016年10月2日日曜日

ちびくろ・さんぼ


絵本と言えばこれですね。 30年近く前に黒人差別だということで絶版になりましたが、10年ほど前に復刻されました。 『いやいやえん』 と同様に良い本です。 幼稚園児の私は、なぜちびくろ・さんぼがホットケーキを169枚も食べることができるのか不思議でした。

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