自動車に何を求めるのか?
つけまつける号は見て音を聞いてガソリンの匂いをかいで楽しむものです
今年もあっという間に過ぎてしまいました。今年は興味深い一年だったですね。 右側の人も左側の人も本質が分かるリトマス試験紙のような年でした。
桃井真さん(故人)が昭和51年の対談で軍事力について以下のように言っています。桃井真さんは国際政治学者であり軍事アナリストで、女優桃井かおりのお父さんです。
「軍事力は、相手からの好まない政治的あるいは経済的な決断を迫られたとき、それを断り得る心のささえになる。全く軍事力がなくて、相手に何か強制された場合には、政治家も国民自身も恐怖を感じて、手をあげたほうが早いという議論になりかねない。それが国家のためにいいのかどうかと、自分自身問い直してみる必要があります」。
安全保障の議論は、変化にどう対応するかという意味で、小林秀雄が 『無常という事』(昭和17年)で言いたかったことだと思います。 SEALDs の学生さんや国会議事堂前のデモに参加した知識人や大学教授からは、そういったレベルの議論は微塵も出てこなかった。 残念ですね。
「無常という事がわかっていない。常なるものを見失ったからである」。 これは『無常という事』の最後の一行です。 刻々と変化する国際情勢(これが無常です)の中で、半独立国家である日本はどう振る舞うか、つまり、どう外交を展開するのかは非常に難しい舵取りだと思います。 昭和の軍国主義真っ只中に小林秀雄は警鐘を鳴らしたわけですが、今の国際情勢は当時よりも何百倍も複雑に変化していると思います。
不可逆的な変化だって、どんなにコストを支払っても無理矢理可逆的に変えようとするものです。
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