朝の散歩
今年は「大正時代」にこだわった一年でした。それは色んな意味で令和の今とあまりにも似ていると思ったからです。夏目漱石は明治の文明開化を「上滑り」と言いました。それを大正時代に受け継いだのが芥川龍之介や梶井基次郎でした。芥川の遺作である『或阿呆の一生』(1927年)と梶井基次郎の『檸檬』(1925年)には「上滑り」に対する反抗が見られます。2作とも洋書が並ぶ書店が舞台設定にあります。
「上滑り」は軍国主義が入り込んできて昭和の戦争で破綻しました。敗戦後の70数年、日本はアメリカ化により「上滑り」がとうとう「崖からの転落」になっています。それは敗戦直後の太宰治の作品や坂口安吾の『堕落論』からも予想できます(安吾はまだまだ堕ち足りないと言っていますが、、、)。
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