中国では『中華人民共和国義務教育法』の規定に基づいて、9年制の義務教育制度が行われています。小学校および中学校が義務教育です。
上の写真は、弊社上海オフィスの近くにある「愛国学校」という公立中学校です。毎朝の朝礼では全校生徒が運動場に整列し、国歌斉唱と国旗掲揚を行い、全員で体操(中国版ラジオ体操)を行います。上海のほとんどの小中学校で普通に見られる光景です。
我社の3人のインターンをつかまえて、中国の教育問題について聞いてみました。
3人のインターンは、上海の一流大学の4年生で、来月卒業予定です。問題なければ卒業とともに我社に入社します。全く物怖じしない、非常に優秀な若者達です。中国では一流の大学を卒業したからといって、規模の大きい有名な企業に職を求めるとは限りません。弊社のような、吹けば飛ぶような会社でも、インターンシップに対する応募は100名近くありました。
3人のうち2人は、上海に戸口(戸籍)がないので、我社が保証人となります。中国では戸口がないと社会的なサービス(医療、教育など)は受けられません。戸口の移動は、就職による移動が基本です。戸口は、公安(警察)によって厳格に管理されています。また、上海でさえ城市(都市)戸口と農村戸口の別があり、両者には大きな格差が存在し問題になっています。
インターンが考える3つの大きな教育問題:
- 教育の機会が不平等である(全国で統一されていない)。例えば、人口が多い省にもかかわらず、重点大学への定員枠が少ない。
- 教育の目的が功利的である。学生にとって学習の目的は、一流大学に合格すること、給料の良い仕事に就くこと、より多くのお金を稼ぐこと。教師や役人にとっては、教育が自分たちの仕事の評価対象(業績)としてしか考えていない。一般の人にとって教育とは、ビジネスの機会としか見ていない。
- 成績至上主義である。多くの中国人は、勉強ができること、つまり、学校で良い成績をとることが人生唯一の成功の道だと思っている。したがって、受験戦争、詰め込み教育が過激である。「万般皆下品,唯有读书高」は、封建時代、士農工商が存在したときの言葉で、勉強だけが「士」に通じる、つまり、成功する手段だという意味です。 中国語で「下品」は日本語で言う「下品」と違って、ランクが低いという意味です。
何だか日本に近いですね。中国と韓国と日本はよく似ています。激しさという意味では、中国と韓国は非常に近い。アメリカと考え方が違うのは、アメリカには士農工商なんていう封建時代が存在しなかったからかも知れません。
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