今回は「孫子の兵法」から、子どもの教育を考えてみたいと思います。孫子は孫武の作とされる兵法書です。孫子は単なる戦争論ではなく、国家との関係から戦争を論じた点で、普遍的な価値を有しています。
孫子曰:
兵者、国之大事、死生之地、存亡之道、不可不察也。
故経之以五事、校之以計、而索其情、一日道、二日天、三日地、四日将、五日法。
(戦争は、国家の大事である。国民の生死や、国家の存亡に関わることであるから、細心の注意をはらって研究し、慎重に考察しなければいけない。従って、五つの方面 - 「道」、「天」、「地」、「将」、「法」から比較検討し、情況を調査しなければならない)。
孫子は5つを以下のように説明しています。
【道】 「治道」、つまり人民と政府の間に共通の信念が備わっているか?
【天】 晴雨、寒暖、昼夜などの天気・気候の変化と時間軸の認識、及び、変化に対応する機動力は?
【地】 距離感やその険しさ具合、広さ・高さなど地勢を理解しているか?軌道修正できる代替案があるのか?
【将】 リーダーの条件は?智、威信、仁愛、英勇、厳粛。このような資質を備えた人がリーダーか?
【法】 軍の規律はちゃんとしているか?規律と同時に賞罰は整っているか?
これを、子どもの教育に当てはめると、以下のようになります。
【道】 家庭の理念や方針は明確で、「やっていいこと」と「やってはいけないこと」が徹底されているか?
【天】 親が世の中の動き、環境の変化に敏感か?
【地】 教育環境(子どもを育てる環境)に配慮されているか?
【将】 親は親としてしっかりしているか?父親は尊敬されているか?
【法】 躾けはちゃんとしているか?けじめは付いているか?
つまり、子どもにとって親の態度は非常に重要であり、家庭環境、及び、コミュニティのような子どもが育つ外部環境も注意が必要だということです。
実は、「孫子の兵法」はコンサルタントの新人教育に使っていました。子どもの教育に導入しても問題はないのではないかと思いました。如何でしょうか?
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