2023年11月8日水曜日

映画『ゴジラ-1.0』

 

映画『ゴジラ -1.0』を観てきました。


ネットで映画の批評をいくつか読んでみました。世代によって見方が違うもんですね。監督・脚本の山崎貴は59歳、映画『永遠の0』の監督です。

私は私の眼を通して観ます。どうしても敗戦直後の Occupied Japan や1945年から令和の今に至る日本を意識しました。防衛だとか大義だとか卑怯だとか、、、。主人公が「戦争は終わらせる」といったのは、自分自身との闘いだった。

坂口安吾の『堕落論』(1946年)が思い浮かびました。戦争でゼロになっても、それは戦争に負けたからじゃなくて人間本来の堕落だ。日本や日本人が欠けているものだ、まだまだ堕ち足りない。もっと堕ちろと言っている。ゴジラは日本や日本人の人性を攻撃しているのかもしれない。山崎監督もインタビューで言及していますが、ゴジラをやっつけるということは、日本人に対する神の祟りを鎮めるということなのでしょう。

「日本や日本人とは、いつまでたってもお気楽なものだ。 むなしい人間関係の上に安眠し、社会制度や国際情勢というものに全身を投げかけて平然としている。 堕落のもつ性格の一つは孤独であると敗戦直後に言ったではないか。 だから、人間の持っている自然の姿(人性)に帰るためにも、もっと孤独になれ。 とことん堕落しろ! そして、 一人荒野を歩いて、そこから這い上がれ」(坂口安吾)。

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