人生色々人それぞれ。でも、年を取るって不可逆的な現実です。全ての人に平等なのです。
花の色は移りにけりないたづらに、わが身世にふるながめせしまに(小野小町)
絶世の美女といわれた小野小町の晩年(年齢不詳なので何歳の頃かわからない)、老いに対する心の葛藤を歌ったものです。「ながめ」をどこまで拡大解釈するかですが、過去の様々な出来事を思い出して、自分も「長く生きた(人生を眺めかえす)」と「長雨」をかけているのでしょう。
60代後半になると、小野小町の「花の色は、、、」の歌の意味が何となく分かってきます。美人薄命というのは美人が短命というよりは、美人である期間なんて、人生のなかでほんのわずかだという事です。男女ともに生老病死は不可逆的な現実です。
人生の目的は幸福の追求でもあるのですが、全く受動的な幸福は幸福ではないということです。思い出す経験をいっぱいしているほど老後は楽しくなる(人生を眺める)。その中から未来に伝えるべきものがあって伝承していけるといいですね。
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