2022年12月30日金曜日

観の形成 ~ 日本の教育に足りないもの

息子夫婦からのクリスマスプレゼント


     自家製ベーグル

概念の収拾

ビジネス雑誌の記事で「人間はほとんどの情報を概念によって知覚している」と書いてありました。その通りだと思います。

それは言葉に発する前に頭の中で、日本人なら日本語で考えているということです。そのさい「概念」が貧困だったり時代に合ってなかったり間違っていたりすると、他者とのコミュニケーションが難しくなるということです。議論の前提であるレベルセッティングができないからです。これは外国語以前の問題です。概念の蓄積は日々無意識に継続しないといけない。それには日記やメモ、毎日書かなくても備忘録でいいのです。今年作成した ibg の『迷子になる地図』の意図するところです。

適応異常か過剰適応か

同じ記事の中で「日本人の弱点は変化に対する対応力が非常に弱い」という事も言われていました。果たして日本人は適応異常なのか、それとも過剰適応なのでしょうか?

明治維新以降の日本は日本的なものと西欧近代的なものの間で右往左往する、落ち着きのないブレブレの歴史です。昭和の敗戦後は西欧近代的なものがアメリカ的なものに変わりました。優越感と劣等感の間の揺れ動き、つまり、それがコンプレックスなのです。夏目漱石がロンドンで悩み胃潰瘍になった頃から何も変わっていません。300万人以上が死んだ戦争の原因が何であるかを冷静に分析し学習しない記憶喪失の国のなるべくしてなった現状でしょう。

自分の信念を持つには日々概念を収集して自分の世界観、社会観、死生観、、、あらゆる「観」を形成することです。

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2022年12月18日日曜日

価値判断の基準

ibg 『迷子になる地図』より

生活をしていると毎日様々なニュースが聞こえてきます。今までは取るに足らなかったことが、最近では問題となって世間を騒がしているように感じています。その問題の多くは、現代社会のあり方や人々の価値観の違いに起因するものであると思うのです。時間に流され対岸の火事としてやり過ごすこともできますが、問題を先送りせず時には誠実に向き合うことが大切です。そしてそのために、我々一人ひとりの意識や価値判断の基準の見直しが不可欠であるのです。

全世界で起こっているこの大きな”うねり”は、我々が生きていくうえでの価値判断の大前提の変化でもあり、人間が歴史の中で築いてきた『知の構造』が大きく変化しているものです。そして大前提が変わりつつある状況下で我々は安直に今までの行動を続けるのではなく、しっかりと自らの判断と行動を見つめ直す必要があると思います。一人一人が変わらないと日本は変わらないのです。

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2022年12月8日木曜日

12年前のブログから ~ 歴史を学ぶこと


私は右でも左でもない。中庸(Golden Mean)を心掛けて生きてきたつもりです。ところが、暫く日本を離れていると、日本全体が左に移動してしまって、中庸のつもりだった自分が右に寄った感覚に陥ります。

歴史を学ぶことについて、学者先生たちが様々な意見を言われています。大概は素晴らしい意見です。しかし、小中高の教科書に反映されていないですね。歴史は歴史になっていない。そこには悪意さえ感じられます。自分の生まれた国を貶めて何の意味があるのでしょうか?これでは、自尊心も生まれないでしょう。歴史を勉強しないと、今の日本がなぜこうなっているのか(良い点も悪い点も)、分からないと思います。

日本にいたら、国や日の丸を意識することなんてほとんどありません(オリンピック以外は、、)。しかし、日本を出るときは、パスポートが必要です。どの国でも入国するときには入国審査があり、パスポートの提示を求められるのです。

海外で暮らすと、自分の国の歴史を知らないために恥ずかしい思いをすることがあります。

仕事仲間のアメリカ人Rとは10年以上の付き合いです。Rは、大学を卒業して7年間、アメリカ海軍の駆逐艦(デストロイヤー)に将校として乗船していました。退役して20年、マネジメントコンサルタントをやっています。彼は、日本海海戦や東郷平八郎のことを知っています。山本五十六のことやミッドウェイ海戦のことに詳しい。士官学校で教わっているのです。

お酒が入ると、「日本人はSneak Attackをする」と真珠湾奇襲の事を持ち出します。私はいつも、「真珠湾はルーズベルトのBooby Trapだ」と言い返すことにしています。お酒の上での友だち同士の会話なので、どうってことはないのですが、こういったやりとりがあるから2人の間に一定のレベルに達する信頼関係が生まれているのだと思います。

史実なんて、正確には分からないものだと思います(タイムマシンが発明されるまでは)。だから、多くの国は自分の国の歴史を国策に基づいて主張し、教育に取り入れます。ほとんどの国は、そのことを理解しているのでしょう。

日本も、子供たちが日本や日本人に誇りをもてるような歴史教育をすべきだと思いますね。

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