会田雄次
1916年、京都生まれ。京都大学名誉教授。1997年9月17日没。
リーダーに求められる資質というのは、時代や環境とともに変化し、時代によって異なるタイプのリーダーが出現するものです。
これは、会田雄次さんがビルマ戦線でイギリス軍捕虜となり、1947年に復員するまでの捕虜体験を基に書かれた『アーロン収容所』(1962年)のテーマでもあります。 勝っている時のリーダー、敗走中のリーダー、捕虜になった時のリーダー、イギリス軍のリーダーと日本軍のリーダーの比較が書かれているのですが、会田さんの実体験だから、非常に説得力があります(『アーロン収容所』は中央公論から文庫本で復刻されています)。
日本では、一般的に先生に言われたことに忠実で、効率よく多くの科目を勉強して暗記する能力に長けた人が指導者になります。 日本の教育システムや企業の入社試験では、平均して優秀な人を選択することに主眼が置かれています。 独創性があって個性が強い人は、新入社員教育にも不適で、特定の企業カラーに染めるのに手間がかかるので敬遠されます。 大企業が盛んにダイバーシティなんて言っていますが、根本から矛盾があるのです。
敗戦後30~40年ほどは、日本企業と日本の教育システムは合致していたのです。 それらは、日本を取り巻いていた当時の世界情勢や日本のポジショニングの中でのみ可能だった。
しかし、世界の勢力図はこの20~30年で大きく変わりました。 これまでのやり方で子供たちを教育し、これまで通りのスペックのリーダーを育成しても、先が見え難い今の時代には合っていないのです。 国家や組織全体を崩壊に導く恐れがあります。 いつか来た道じゃないですか?
憲法記念日、テレビで知識人と言われる人たちが憲法議論をしていました。 リーダーシップ論と重なる部分があると感じました。 『時代は変わる』のです。
憲法は改正じゃなくて、一旦廃棄処分にしなきゃ。
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